カレンダーガール
小児科研修医となって３週間たっても、忙しいと感じる余裕もない日々が続いていた。
しかし、謹慎処分明けの私には忙しささえうれしかった。

ＮＩＣＵ（新生児集中治療室）。
小さく産まれた赤ちゃんや、病気を持っている赤ちゃんが収容されている病棟。

トゥルル　トゥルル
NICUのホットラインが鳴る。

「はい、NICUです。はい。はい、分かりました。ドクターカーで向かいます。２０分で到着できると思います」
剛先生が電話を受けた。

うちの病院は大学の付属病院。
そのため近隣のクリニックで未熟児やリスクの高い出産があると受け入れの要請がくる。
時には出産自体を引き受ける母胎搬送になるときもある。
今回は赤ちゃんに異常の可能性があり、出産の立ち会いと赤ちゃんの搬送が依頼された。
剛先生と看護師が搬送用機材とともに出発していき、残った私は受け入れの準備をして待つこととなった。
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