カレンダーガール
翌日から、毎日面会に来るお父さん。
時間ギリギリまで赤ちゃんの前を離れないで側にいる。
数日後には退院したお母さんも車いすで訪れ、タッチングしながら、赤ちゃんを見つめる。
「母乳を絞ってきました」
嬉しそうに差し出すお母さん。
どこからどう見ても子供を愛する両親にしか見えないし、実際大切に思っているんだろう。
それならなぜ手術を拒否するのか、できれば話をして説得したい気もする。
でも、剛先生からはしばらくオペの話はしないようにと言われているから、今は黙っておこう。
ちょうど夕方のスタッフ交代の時間。
NICUの中も人であふれだした。
そんなとき、
「それって、見殺しじゃないの」
歩きながら、夜勤の看護師が口にした。
決してお母さんに向けた言葉ではなかった。
誰のことなのかも分からない。
でも、産後のお母さんにはきつい言葉だったのだろう。
シクシクと泣き出すお母さん。
異変を感じてお父さんも駆け寄る。
「何があったのか?」と聞くが、お母さんは泣き続ける。
泣かせてしまった看護師も状況に気づき、事情を説明する。
「何でそんなこと言うんですか。私たちが子供を見殺しにしていると思っているからそんなこと言うんじゃないですか?」
お父さんが詰め寄った。
「決してそんなつもりはありません。お子さんの事を言ったわけではありません。気持ちを傷つけてしまったことは申し訳ありません」
師長が深々と頭を下げる。
それでもお父さんの怒りは収まらず、怒って文句を言っている。
時間ギリギリまで赤ちゃんの前を離れないで側にいる。
数日後には退院したお母さんも車いすで訪れ、タッチングしながら、赤ちゃんを見つめる。
「母乳を絞ってきました」
嬉しそうに差し出すお母さん。
どこからどう見ても子供を愛する両親にしか見えないし、実際大切に思っているんだろう。
それならなぜ手術を拒否するのか、できれば話をして説得したい気もする。
でも、剛先生からはしばらくオペの話はしないようにと言われているから、今は黙っておこう。
ちょうど夕方のスタッフ交代の時間。
NICUの中も人であふれだした。
そんなとき、
「それって、見殺しじゃないの」
歩きながら、夜勤の看護師が口にした。
決してお母さんに向けた言葉ではなかった。
誰のことなのかも分からない。
でも、産後のお母さんにはきつい言葉だったのだろう。
シクシクと泣き出すお母さん。
異変を感じてお父さんも駆け寄る。
「何があったのか?」と聞くが、お母さんは泣き続ける。
泣かせてしまった看護師も状況に気づき、事情を説明する。
「何でそんなこと言うんですか。私たちが子供を見殺しにしていると思っているからそんなこと言うんじゃないですか?」
お父さんが詰め寄った。
「決してそんなつもりはありません。お子さんの事を言ったわけではありません。気持ちを傷つけてしまったことは申し訳ありません」
師長が深々と頭を下げる。
それでもお父さんの怒りは収まらず、怒って文句を言っている。