カレンダーガール
残された私と果歩ちゃんはカンファレンス室の椅子に座り込んだ。
緊張と疲れで、とても立っていられない。

「先輩、恩を着せたつもりですか?」
「はあ?」
「去年、事件起こしたって聞きましたよ」

この子はなんて意地悪なんだ。
しかし、言い返す元気さえない私は黙っていた。

「私なら、同じ病院には戻らないのに・・・信じられない」
私のことをバカにしたような言葉と態度。

いやいや、私はこんなことを面と向かって言うあなたが信じられない。
きっと今日は色んなことがあったから、彼女も誰かに八つ当たりしたい気分なんだろう。
けれど、それにしてもひどすぎる。

「色々と事情があるのよ」
平気な顔をして笑って、私は精一杯大人の対応をした。

しかし、
ふぅん。
と、鼻を鳴らして黙る、果歩ちゃん。

その後のまったく会話のなくなった私たちは、無言で報告書を書き上げて帰ることとなった。
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