カレンダーガール
夏
6月 紗花の恋
6月4日
親友、紗花の誕生日に、私たちは久しぶりに飲みに出た。
向かったのは学生時代からよく行った大衆居酒屋。
「紗花、誕生日おめでとう」
「ありがとう」
サラリーマンのおじさんや、OL風のお姉さんに紛れてビールで乾杯。
紗花は今、無事に外科で研修医2年目を迎えている。
「私のせいで迷惑かけて、ごめんね」
普段言えなくて、それでもずっと心に溜まっていた言葉を口にした。
「それは桜子のせいじゃないでしょう?悪いのは啓介。桜子は巻き込まれたのよ。だから、そんな加害者みたいな顔しないで」
「うん。ごめん」
紗花だって随分噂の的になったはずなのに、平気な顔しているその強さがうらやましい。
その夜、私たちは飲んで食べていろんな話をした。
上司の事。
後輩研修医の事。
病院の事。
誰にも言えないような愚痴も、紗花になら言えた。
親友、紗花の誕生日に、私たちは久しぶりに飲みに出た。
向かったのは学生時代からよく行った大衆居酒屋。
「紗花、誕生日おめでとう」
「ありがとう」
サラリーマンのおじさんや、OL風のお姉さんに紛れてビールで乾杯。
紗花は今、無事に外科で研修医2年目を迎えている。
「私のせいで迷惑かけて、ごめんね」
普段言えなくて、それでもずっと心に溜まっていた言葉を口にした。
「それは桜子のせいじゃないでしょう?悪いのは啓介。桜子は巻き込まれたのよ。だから、そんな加害者みたいな顔しないで」
「うん。ごめん」
紗花だって随分噂の的になったはずなのに、平気な顔しているその強さがうらやましい。
その夜、私たちは飲んで食べていろんな話をした。
上司の事。
後輩研修医の事。
病院の事。
誰にも言えないような愚痴も、紗花になら言えた。