カレンダーガール
「先生、どうしてここに?」
今日は当直ではなかったはず。

「大丈夫?」
近くまで来て、私を見下ろしている。
えっ?
「知っているんですか?連絡があったんですか?」
出来ることなら、知られたくなかったのに・・・。

「川上先生は大学の同期でね、心配で知らせてくれたんだ」
告げ口じゃないよ。と笑って見せる。

その後、明日鷹先生は空いていた椅子を一つ持ってくると私の直ぐ横に座った。

「自分は医者に向いてないなんて思うなよ」
唐突にボソッと呟かれた言葉。

「君たちはまだ研修医、これから努力すればいい」
「・・・」
今の私には返事をする気力さえない。

それなのに、
グルルル-。
私のおなかが鳴った。
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