カレンダーガール
「考えてもみろよ。愛し合ったと思っていたら、相手は自分を疑っていた。そうなったら、愛し合ったこと自体嘘なんじゃないかと疑ってしまう。気分悪いだろう?」
「それは、そうだけれど・・・」

言えなかった私の気持ちも理解して欲しい。
それに、先生はお見合いや結婚について否定してくれないし・・・。
もしかして、本当にお見合い相手がいるの?
それなのに、私とこんな関係に?

「桜子。1人で勝手に妄想しない。思ってることがあれば言いなさい」
「・・・」
それでも怖くて、私は聞けない。

「本当に馬鹿だなあ」
ため息交じりに言われた言葉は地味に私を傷つける。

私は先生が大好き。ずっとずっと一緒にいたいと思う。
でも、色んな引け目を感じ過ぎて素直にはなれないのも事実。
もし今「別れよう」って言われたら、私は黙って頷くしかないのだと思う。

「帰ります」
沈黙にたまりかね、私は立ち上がった。

もしかして止めてくれるかなと期待したけれど、明日鷹先生は動かない。
寂しそうな顔をした先生を残したまま、私は部屋を後にした。
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