カレンダーガール
「あの、よかったら一緒にカラオケ行きませんか?」
1軒目の店を出て少し歩いたところで、大学生らしき2人連れが声をかけられた。

ナンパ?

私も紗花も、無視して通り過ぎようとしたけれど、
「決して怪しい物ではないんです。ここのカラオケのペア招待券があって。でもカップルじゃないと使えないんです。お願いします」
その必死さがなんだかかわいくて、足が止まった。

「あなた達、大学生?」
紗花が聞く。
「はい。東邦大の2年生です」
へー。後輩か。
「嘘じゃありません。何なら学生証を・・・」
「結構ですから」
財布から学生証を出そうとするのを止める。

きっと嘘ではないんだと、彼らの態度で分かる。
紗花も私も久しぶりに楽しくなって、彼らの誘いに乗ることにした。
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