カレンダーガール
しかし、カラオケを開始して1時間が過ぎた頃。
男性のうちの1人が、急に腹痛を訴えた。
ウーウーと唸り、冷や汗をかいている。
私も紗花も診察をしてみたけれど、酔っ払った私たちに正確な判断を下せる訳もなく、しばらく様子を見て痛みが収まらないのを確認してから救急車を呼んだ。


10分後、救急車到着。
救急隊員は私たちに見覚えがあったようで、
「東邦大へ搬送します。先生方も同乗いただけますか?」
と聞いてきた。

まずいなあー。とは思うけれど、今更仕方ない。
行っても、行かなくても、搬送記録には通報者として私たちの名前が残るんだから。
私と紗花は救急車に同乗してうちの病院の救急外来に向うことにした。

記憶にある限りでは初めての救急車乗車。
気のせいかもしれないけれど、救急車は酔いが回るのが早い。
乗り込んだときはちゃんと話せていた紗花が、病院に着くと軽い酩酊状態になっていた。
< 173 / 248 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop