カレンダーガール
それから30分後。
大地登場。

「一体何を考えているんだ!」
ドスのきいた声で、叱る大地。
私も、紗花も泣きたいのをグッとこらえていた。

たった5つしか離れていないのに、父より怖い存在の兄。
昔から、悪い事をして叱るのは父ではなくて大地だった。

「明日鷹さん。色々すみませんでした。俊樹にも俺から連絡しときますので」
そう言うと、頭を下げる。

「いや、頭なんか下げるなよ。桜子に関しては俺にもいくらか責任があると思うし」
叱られた私たちを見て、明日鷹先生も動揺している。

1時間ほどで、搬送してきた患者の家族が到着。
手続きも終わり、私たちも帰れることとなった。

「大地、俺は今夜当直だから。悪いけど、桜子も自宅まで送ってもらえる?」
私の方を見ることもなく、大地に依頼する明日鷹先生。

「いいけど・・・」
それでいいのか?って視線を向ける大地。

明日鷹先生はそのまま勤務に戻っていった。
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