カレンダーガール
こんな明け方に開いている店は多くない。
結局向かった先は、病院近くのファミレス。

「先生もファミレスとか来るんですね?」
モーニングセットのコーヒーをすすりながら、つい口にしてしまった。

「来るよ。牛丼もカレーも常連。忙しくて時間がないからね。早くて安いのは大歓迎だよ」
真夜中にトーストをほおばりながら、明日鷹先生が言う。
「へえー、そうなんですね」
私も追加で注文したフライドポテトに手を伸ばした。

「あの、先生」
お腹も一杯になりちょっと元気なった私は、気になっていたことを聞いてみることにした。

「今日は当直じゃないですよね?」
「うん」
「私のために、駆けつけてくださったんですか?」
「うーん。そうなるね」
卵を口に運びながらの返事。

「なぜですか?」
そう、それが気になっていた。
なんで、わざわざ来てくれたのか?
指導医ってそんなことまでするものなのだろうか?

明日鷹先生は持っていたフォークを置くと、まっすぐに私を見た。
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