カレンダーガール
翌日から、果歩先生は出てこなくなった。
そして、いなくなって初めて、果歩先生のずるさが露呈した。
看護師や私が手を貸すのを見越して、とことん手を抜いていたのだ。
処置指示もいい加減だし、診断書の作成も山のようにたまっている。
結局私と剛先生が残業をして残務をこなすしかなかった。
「何でも手を貸して、かばってあげるのが相手のためじゃない」
と、剛先生に私が叱られた。


その後1週間、果歩先生は無断欠勤のまま。
部長が自宅マンションを訪ねたらしいけれど、会えなかったらしい。
私も何度か電話してみたが、やはり繋がらなかった。

そして、私は脱ぎ捨てられた白衣から薬の包み紙を見つけてしまった。
処方薬だから違法な物ではない。
でも、残っていた包み紙の量からして、過剰摂取。
おそらく、『薬物依存』だろう。
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