カレンダーガール
その日の夕方。
「桜子先生。ちょっといい?」
剛先生に呼ばれた。

向かったのはカンファレンス室。

「座って」
「はい」
剛先生と2人、向かい合って座る。

隠し事があるからだろうか、なんだか緊張してしまう。

「もうすぐ研修医も終わるけど、春からのこと考えてみた?」

あー、その話か。
ちょっとホッとした。

「まだ、決められなくて・・・」
「そう。急かすつもりはないけど、近いうちに結論を出してほしい」
「はい」

確かに、春からも小児科に残るのか、他の科に移りたいのか、よその病院に行くのか。私がそれを決めないと前には進まない。
上司としては、春からの人事のことでもあり、心配なはず。

「出来るだけ早いうちに、返事をします」
「うん。お願いします。ところで、」

その先がなかなか聞こえてこなくて、私は顔を上げた。
剛先生が、ジーと私を見ている。

ん?
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