カレンダーガール
「桜子先生。僕に何か報告することはない?」
「えっと、それは・・・」
やはり、剛先生は気づいていたんだ。

「今更だけど、僕たちは人の命を預かっているんだ。そのことは分かっているよね?」
「はい」

「僕の誤解なの?」
「い・・・いいえ。・・・実は」
やっぱり嘘はつけなかった。

はあー。
大きなため息とともに天を仰ぐ剛先生。

「明日鷹には?」
私は首を振った。

「黙っていていいことじゃないでしょう」
剛先生があきれている。

そんなことは分かっている。でも、
「今はまだ言わないでください。タイミングを見て自分で話しますから」
私はきちんと頭を下げた。

しばらく無言が続いた後、
「わざわざ告げ口するようなまねはしないけど、もし明日鷹に聞かれたら答えるよ。君には悪いけど、俺にとって明日鷹は親友だからね」
それでいいかと念を押され、私は頷いた。
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