カレンダーガール
それからも、休憩したり時々休んだり体調を見ながら仕事をする。
本当につわりって大変。

幸い、忙しい明日鷹先生からはあまり連絡が来ない。
時々会っても短時間で、おかげでバレずにすんでいる。
でも、いつかは話さなきゃいけないのに・・・

1月も後半。
妊娠が判明して3週間が過ぎた。
つわりには少し慣れたけれど、相変わらず食べられない日が続き、体重も5キロほど減った。
そのせいだろうか、時々立ちくらみもする。

「大丈夫ですか?」
今日もふらついて近くの机につかまった私を看護師に心配された。

「大丈夫。ありがとう」
「桜子先生。痩せすぎですよ。ダイエットですか?」
「仕事が激務でね。そのうち過労で倒れるわ」
ふざけて言うと、周りのみんなに笑われる。

ブー ブブー
PHSが鳴った。

あれ、剛先生だ。

「はい。鈴木です」
「桜子先生。ちょっと医局まで来てくれる?」
「え、今ですか?」
つい警戒してしまう。

「手が空いてからでいいから、来て」

何の用だろう?
幾分疑いながら、私は剛先生の医局へ向かった。
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