カレンダーガール
トントン。

「どうぞ」

部屋の中に入ると剛先生が待っていた。

「座って」
「はい」

促されるままソファーに座る。
剛先生も向かい合って座った。

「最近食べられてないでしょう?」
うっ。
痛いところを突かれる。
「病院にも行ってないでしょう?」
たたみかけるように言われ、私はただ頷いた。

すると、剛先生は点滴を取り出した。

「せ、せんせい・・・」
「とりあえず点滴だけしておこう。ここには誰も来ないから安心して」
そう言うと点滴の準備を始める剛先生。
親切で言ってくれているのが分かったから、私もあえて抵抗はしなかった。

「後で抜針に来るから、それまではおとなしくしてなさい」
点滴処置を終えると、私をソファーに寝かせタオルケットを掛けて剛先生は部屋を出て行った。
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