カレンダーガール
「それで、今何ヶ月なの?」
幾分穏やかな表情になった明日鷹先生が聞いてきた。
「3ヶ月、くらい・・・」
「くらいって、もしかして病院に行ってないの?」

コクンと頷く。
言い訳のつもりは無いけれど、仕事に追われていてそんな時間はなった。
もちろん剛先生は気遣ってくれたけれど、独身の私がいきなり『妊娠したから受診に行く』と言うわけにもいかず、ずるずると今日まで来てしまった。

「はあぁ?」
やっぱり、明日鷹先生があきれてる。

「知り合いのクリニックがあるから、明日にでも行こう」

行こうって、
「明日は朝から勤務なんです。先生も外来の日でしょう?」
「なんとかするよ。クリニックが嫌ならうちの病院でもいいけど。産科部長に話そうか?」
いや、だからそういうことではなくて。

私は明日鷹先生の方を向くと、
「先生。明日は勤務で行けません。来週にでも時間を見つけて必ず行きます。たまたま休みが合うようなら、一緒に来てもらえると嬉しいです」
ちゃんと目を見て言った。
しかし・・・
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