カレンダーガール
「病院は今週中に行く。俺も休みを取ってついて行くから」
なんとなく想像はしていたけれど、明日鷹先生は譲りそうにない。
それどころか、
「大体、桜子どのくらい体重が落ちたの?食べれてないんじゃない?」
今度は私に向かってくる。

「えっと、5キロくらい痩せました。おかげで正月太り解消です。へへへ。それに、剛先生が時々点滴してくれるので立ちくらみも良くなっています」
できるだけ明るく元気に言ったのに、明日鷹先生の表情は険しくなっていく。

「5キロて・・・点滴って・・・立ちくらみって・・・」
ブツブツと言いながら、明日鷹先生が頭を抱えだした。

これは、マズイかも・・・

「明日鷹先生?」
心配になって声をかける私に
「桜子」
ソファーから軽く腰を上げて座り直し、私の方を向いた明日鷹先生。

「体重が5キロも落ちるくらい食べられないとか、立ちくらみがするのに点滴しながら仕事するとか、何を考えているの?」

「大丈夫ですよ。先生、心配しすぎです。みんなそうやって働いているんですから」
「人は人。桜子は桜子でしょ?体調が悪いなら休みなさい。診断書を書こうか?」
「・・・」
もう言葉が出てこない。

このままじゃ本当に診断書を書いて、ドクターストップをかけそうだ。
この先のことを考えて、私は急に不安になった。
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