カレンダーガール
1時間後。
小さな旅行鞄を1つ抱えて、私は隣り街のビジネスホテルにいた。
1週間のロングステイの申し込みをし、出来るだけ眺めがいい部屋をリクエスト。
部屋は1泊8500円の角部屋で、町並みや駅を行き交う人が見下ろせる上層階の部屋だった。
部屋に入り、荷物をほどき、ベットに横になる。
まずは携帯の電源をON。
ピコン ピコン ピコン・・・・
着信音が鳴り止まない。
しばらく待ってようやく静かになった所で、まずは母さんに電話。
「桜子だけど」
『あなた、朝から明日鷹先生がいらしたのよ。どうしたの?何かあった?』
「うん、ちょっと。ちょうど病院の休暇も取れたから、1週間ほど出かけてくるわ」
『出かけるってどこへ?』
「どこでもいいでしょう。少し羽を伸ばしたいだけだから、心配しないで。ねえ、1週間したらちゃんと帰るから大地にも言わないで黙っていてね」
そう言うと一方的に電話を切った。
次は紗花へメール。
『紗花。色々事情があって1週間ほど家を出ます。病院も休みます。お願いだから探さないでください。事情は改めて説明します』
その後も携帯のバイブは震え続ける。
しかし、病院からの緊急電話の可能性もあり、電源を落とすわけにはいかない。
着信画面に表示され続ける『森明日鷹』の文字を見ながら、私は1人泣きそうな気分になった。
小さな旅行鞄を1つ抱えて、私は隣り街のビジネスホテルにいた。
1週間のロングステイの申し込みをし、出来るだけ眺めがいい部屋をリクエスト。
部屋は1泊8500円の角部屋で、町並みや駅を行き交う人が見下ろせる上層階の部屋だった。
部屋に入り、荷物をほどき、ベットに横になる。
まずは携帯の電源をON。
ピコン ピコン ピコン・・・・
着信音が鳴り止まない。
しばらく待ってようやく静かになった所で、まずは母さんに電話。
「桜子だけど」
『あなた、朝から明日鷹先生がいらしたのよ。どうしたの?何かあった?』
「うん、ちょっと。ちょうど病院の休暇も取れたから、1週間ほど出かけてくるわ」
『出かけるってどこへ?』
「どこでもいいでしょう。少し羽を伸ばしたいだけだから、心配しないで。ねえ、1週間したらちゃんと帰るから大地にも言わないで黙っていてね」
そう言うと一方的に電話を切った。
次は紗花へメール。
『紗花。色々事情があって1週間ほど家を出ます。病院も休みます。お願いだから探さないでください。事情は改めて説明します』
その後も携帯のバイブは震え続ける。
しかし、病院からの緊急電話の可能性もあり、電源を落とすわけにはいかない。
着信画面に表示され続ける『森明日鷹』の文字を見ながら、私は1人泣きそうな気分になった。