カレンダーガール
「そう言えば、桜子の指導医ってかっこいいらしいね」
「え?」
それって明日鷹先生のことよね。

「ファンが多いらしいわよ」
「へー。確かに優しいし、もてそうな感じ」

まじまじと私の顔をのぞき込む紗花。

「関係ないわよ。ただの指導医だから」
「ならいいけど。桜子誤解されやすいから、標的にならないように気をつけてよ」
「はいはい、わかっています」

明日鷹先生のことは私も素敵だなとは思う。
でも、男性として見ているつもりは無い。
それに、今は仕事を覚えるのに精一杯で、恋をする余裕なんてない。
この時の私は、恋はするものではなくていつの間にか落ちていくものだってことを忘れていた。

その後、ゆっくりと露天風呂を堪能した私たちは、湯上がりのソフトクリームを食べてから母さんの店に向かうことにした。
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