カレンダーガール
普段15分かかる道を10分で病院に到着。
NICUに入ると、スタッフと両親が健太くんを囲んでいた。
「桜子先生」
目に涙を浮かべたお母さんが振り返る。
「遅くなりました」
私も健太くんの元へ向かう。
今にも消えそうな心拍を機械が拾っている。
もう、時間がない。
私は側に寄り、健太くんの頭をなでた。
小さな体で精一杯生きようとする健太くん。
そして、
しばらくして、心拍が・・・止まった。
泣き崩れるお母さん。
私も泣きそうになった。
でも、泣かない。私が泣いたらダメ。
「お世話になりました。ありがとうございました」
お父さんが頭を下げる。
看護師の手によって健太くんの体からチューブが外され、お母さんが抱っこする。
健太くんにとっては初めての抱っこ。
なんだかとても切ない気持ちになった。
その後、用意された個室で家族と過ごす。
部屋には普段NICUには入れない一卵性双生児の弟くんもいた。
小さな歯も生え、つかまり立ちもする。
とっても笑顔がかわいい。
さっきまで泣いていたお母さんも、弟くんをあやしながら笑顔を見せる。
医療にもしもはないけれど、
もし、お母さんがきちんと定期検診を受けていたら、出産時のトラブルだって避けられたと思う。
そう考えるとたまらない。
私はその日、初めて受け持った患者を看取った。
NICUに入ると、スタッフと両親が健太くんを囲んでいた。
「桜子先生」
目に涙を浮かべたお母さんが振り返る。
「遅くなりました」
私も健太くんの元へ向かう。
今にも消えそうな心拍を機械が拾っている。
もう、時間がない。
私は側に寄り、健太くんの頭をなでた。
小さな体で精一杯生きようとする健太くん。
そして、
しばらくして、心拍が・・・止まった。
泣き崩れるお母さん。
私も泣きそうになった。
でも、泣かない。私が泣いたらダメ。
「お世話になりました。ありがとうございました」
お父さんが頭を下げる。
看護師の手によって健太くんの体からチューブが外され、お母さんが抱っこする。
健太くんにとっては初めての抱っこ。
なんだかとても切ない気持ちになった。
その後、用意された個室で家族と過ごす。
部屋には普段NICUには入れない一卵性双生児の弟くんもいた。
小さな歯も生え、つかまり立ちもする。
とっても笑顔がかわいい。
さっきまで泣いていたお母さんも、弟くんをあやしながら笑顔を見せる。
医療にもしもはないけれど、
もし、お母さんがきちんと定期検診を受けていたら、出産時のトラブルだって避けられたと思う。
そう考えるとたまらない。
私はその日、初めて受け持った患者を看取った。