カレンダーガール
健太くんを見送って事務処理をすませると、朝になっていた。

「桜子先生。少し休んでおいで」
剛先生が声をかけてくれる。

確かに、妊婦のくせに徹夜なんて親の自覚がなさ過ぎかもしれない。

「後で点滴持って行くから、医局に行ってて」
周りを気遣い小声で言ってくれる。

「大丈夫です。平気ですから」
と強がって言ってみたが、
「いやなら病棟のベットでする?」
結構真顔で返されて絶句した。

病棟の子供用ベットなんて冗談じゃない。
さすがに私だって羞恥心がある。

「やめてください」
「じゃあ、医局で待ってて」
仕方なく、私は剛先生の医局に向かった。
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