カレンダーガール

うーん。
まあまあかな?スマホが古いから・・・

「スマホが古いと、写りも悪いですね」
なんて、言い訳気味に苦笑い。

「写真なんか撮らずに楽しめってことだよ」
そう言いながら、私の携帯を見ている。

「見ないでください。本当に古いんですから」
「ごめんごめん」
謝られると余計に恥ずかしい。

「これでも私、苦学生なんです。学費ローンもたくさん残ってますし、学生時代もバイトと学校の往復でしたし」
そのことが古いスマホの理由になるとは思わないけれど、何か言い訳したい気持ちになった。

「そうか、苦労したんだな」
明日鷹先生の表情が曇る。

「そんな顔しないでください。お金があればいいわけじゃないと思いますから」
「お金に興味ないって言うの?」
「いいえ、お金があるにこしたことはありません。でも、私が興味があるのは自分の財布の中身だけ。それ以上に持ちたいとは思いません。それに、自分が生活できる分は自分で稼ぎます。そのために医者になったんです」
偉そうなことを言って顔を上げると、明日鷹先生と目が合った。
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