カレンダーガール
「生意気ですか?」
照れながら聞いたのに、
「桜子先生、何か欲しいものとかないの?」
急に意味の分からないことを言い出した明日鷹先生。

「同情ですか?」
私が貧乏話なんかしたから。

「違うよ。僕なんかの下で頑張ってる君に何かプレゼントしたいんだ。記念品だと思ってよ。他の指導医達も飲みに出たり食事に行ったりしてるだろう?」
「はあ、確かに」
紗花も時々指導医と食事行ってごちそうになるって言っていた。

「でも・・・」
「もちろん、君が迷惑でなかったらだけどね」
いつも通りのさわやかな笑顔。

きっと、私の話を聞いて同情したんだろうと思う。
でも、明日鷹先生に言われると嫌な気分にはならない。

「何でもいいよ。言ってみて」

私は少し考えて、
「では、病棟休憩室のコーヒーメーカーが壊れているので、それを」
思いつくの物を言ってみた。

ちょっと高いかな?なんて思っていると、

ハハハ。
明日鷹先生が笑い出した。
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