カレンダーガール
「普通、身につける物とか普段使う物とか言うだろ?」
明日鷹先生が、あきれてる。

「いいんです。そういう物は自分で買いますから。買ってもらうとしたら、紗花のパパにだけかな」
「えっ、どういうこと?」
明日鷹先生の不思議そうな顔。

「実は、紗花のパパは私の実の父なんです」

自分でもなぜこんな話をしたのかわからないけれど、気が付けば口から出ていた。

「それって・・・不公平だとは思わないの?」
しばらく考え込んだ後、明日鷹先生が聞いてきた。

「不公平?」
「うん、和泉くんは見るからにお嬢さんじゃないか。君は苦学生だったって言うし、比べたりしない?」

確かに、周りから見ればお金持ちの紗花と私では違って見えるのかもしれない。
でも、私達はそんなこと思ったこともない。

「私が5歳の時、父と母が離婚するときに、私は母と暮らすことを自分で選んだんです。だから、後悔はしません。裕福ではありませんでしたけれど、何不自由なく育ててもらったと思っています」

「・・・」
私の話がよほど意外だったのか、明日鷹先生は言葉が出ない様子。

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