カレンダーガール
結局、私はすすめられた席に着いた。

そして、すごく気まずい。
美女は楽しそうに話しかけてくれるのだけれど・・・話はなかなか盛り上がらない。

目の前の美女は、大人な感じの綺麗な人。
さらさらストレートヘアーに大きな瞳。
化粧はナチュラルで、所作も美しい。
実際、彩りよく皿に盛り付けられた美女のお皿はバイキングとは思えないほど綺麗で、私の山盛りポテトサラダが恥ずかしい。

｢パスタとポテサラが同じ量って・・・すごいね｣
明日鷹先生がおかしそうに突っ込んでくる。
「好きなんです。放っておいてください」

ああ、本当に逃げ出したい。
と思っていたら、
ブー、ブブー
PHSが震えた。

｢すみません｣
私は食事中の２人に断わって電話に出る。

「はい、鈴木です｣
『内視鏡室です。患者さんのルートとれました』
「わかりました、今から行きます。前処置の準備しておいてください」

PHSを切って、食べかけの食器をトレイに乗せる。
ああ、よかった、逃げ出す口実ができた。
と立ち上がった時、

「予定は１時半からでしょ？」
明日鷹先生の声がかかる。

「少し早いですけど、準備しておきますから」
「そんなに急がなくてもいいから、食べてから行きなさい」
明日鷹先生に止められてしまった。

「でも・・・」
「いいから、早く食べて」

結局、私はかき込むようにランチを食べ、明日鷹先生とともに検査室へ向う事となった。
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