カレンダーガール
剛先生と別れた私は、定時で上がり久しぶりに母さんの店へ手伝いに出た。

「おお、桜子久しぶり」
常連の客さんから、久しぶりに店へ出た私に声がかかる。

私は注文を取り、料理を運び、時々ビールをつぐ。
これは慣れた作業。

「桜子が、医者になるとはなあー」
「お医者さんがこんな事していていいのか?」
「もー、やめてください。ほらほら、グラスが開いてますよ。同じ物でいいですか?」
かなり酔いの回ったお客さん達がからかってくるけれど、私はいつものようにあしらい飲み物のおかわりをすすめる。

これも全てちいさな頃からやっていたこと。
さすがに大学時代は勉強が忙しくてたまにしか出来なかったけれど、お店に出れば常連のお客さんが自分の子供の様にかわいがってくれる。
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