その瞳に映すもの
僕は亜恋と亜蘭のことをいつも2人一緒に
いることから、双子と呼んでいる。本人達
からは不服ですというような顔をされてい
るが、面倒くさいので双子とまとめて呼ん
でいるだけの話である。
まぁ、双子の両親の前で双子と呼ぶ勇気
はまだ僕には無かったので、亜恋と亜蘭と
呼んであげたら、双子は涙目になって喜んで
いた。その喜びようがあまりにも凄かった
ので、仕方無く、勉強が良く出来たであろ
う日や、僕の気紛れで双子の名前を呼ぶよ
うにはしている。
この光景を僕の学校の人達は、僕がペッ
ト(双子のこと)を飼っていると言うようにな
ったらしいと、僕は久能くんから聞いた。
あの久能くんのことなので、話の内容を鵜
呑みにすることは出来ないが……。
最初に勉強を教えていた頃に比べて、見違
えるレベルで学力が上がっていき、双子は勉
強面においてはアホの子を卒業するところ
にまで到達することができた。
しかし、勉強がそこそこ出来るようにな
っても、アホの子はアホの子のままであっ
た。如月くんや久能くんより、僕は双子と
の方が個人的には仲が良いと思っている。
僕自身高校は、双子の志望するところに進
学しようと思っている。