その瞳に映すもの
僕は、美玲さん夫婦に受験が近くなるの
だから、髪の毛の色をもう少し抑えるよう
に言われてしまった。仕方無いので、徐々に
暗めの色を入れていき、最終的に暗めの茶
髪にすることにした。
受験前に僕の髪の毛の色が落ち着いた時
には、双子からは感動され、如月くんと久
能くんには、転校してきたばかりの時が懐
かしいといったことを言われた。
受験当日は、ピアスも外して行き、制服
もキッチリと着て行ったので、受験会場で
会った双子からは、ポカンとした顔をさ
れ、如月くんと久能くんからは、
「ついこの間まで、派手髪、ピアス、ネ
ックレスにブレスレットをつけて、制服を
着崩しているような人間には見えない。育
ちの良いお金持ちの家の子にしか見えな
い」
と、肩を震わせて笑いを堪えながら言わ
れてしまった。ちなみに、僕のこの姿を見
た美玲さん夫婦からは、こっちの方が見て
いて安心するといったことを言われたけど、
別に美玲さん夫婦に安心されなくても、僕
には何の問題も無いといった感じで、高校
に進学したら、元の状態に戻してしまおう
と思っている。