その瞳に映すもの
僕のことよりも仕事の方が楽しくてやり
甲斐があったことと、僕が手のかからない
子どもだったこともあり、2人とも仕事中心
の生活をしていたところに、運命の出会い
みたいなものがあったらしい。
ある時、職場の後輩に告白されたことが
あり、最初は断っていたけど、だんだん好き
になってしまって、2人ともお互いには秘密
として、恋人を作ってしまったらしい。そん
な関係を数年続けていた時に、2人とも離婚
して新しい人生を歩みたくなったらしい。
僕のいないところでの話し合いをしてい
る中で、僕をどうするのかという話題にな
り、お互いに僕を譲り合っていたらしい。
そんな時に、母親の弟夫婦から僕を引き
取って育てたいと言われ、2人は安心して、
僕の15歳の誕生日にこのことを告げてき
た。
2人にとって、僕は何の反抗もない子ども
であり、何を言っても受け入れてくれる、と
いうか、嫌だと言われる可能性を全く考えて
いない、物凄く都合の良い存在であるとい
う認識だということに気がついた。