その瞳に映すもの

 僕の想定していた、如月くんパワー(親の

力)は僕の予想していた以上の効力を発揮し

たようだ。


 この、神崎くんの言っていることを鵜呑

みにするなら、の話にはなってくる

が……。


 神崎くんは、続けてこう言ってきた。


 「僕、綾瀬くんの入学式の挨拶を聞く前

の印象は、めちゃくちゃ顔の良い奴が出て

来てオシャレだし、内心めっちゃムカつ

く!って思っていたんだけど、話の内容が途

中から面白すぎて、僕、綾瀬くんと友だち

になりたくなっちゃったよ!!綾瀬くん、

自分の容姿のこと自覚してるし、如月くん

のこと利用しようとしてるし、それでいて、

同じ中学から来た友だちは大切にしようと

するし、最後に自分の友だち作りの邪魔す

る奴はどうにかするみたいなこと言ってる

しで、綾瀬くん、入学式の挨拶を自分の自

己紹介に利用してて、僕は綾瀬くんのそう

いうところがめちゃくちゃ好きだから、是

非、僕と友だちになりませんか?」


 と言ってきた。
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