その瞳に映すもの
 
 確かに、僕は両親に逆らったことは一度

も無い。だって、何も言われて無かったか

ら。怒られるようなことをしようと思った

ことは無かったし、僕は両親から褒められ

たい認められたいの一心でいたからだ。


 僕は、15歳の誕生日の日に両親が揃うこ

ともあり、2人にお願いをしようと思ってい

た。僕は、家族で出掛けてみたかったの

だ。

 
 ある日、学校で家族の話題になった時

に、僕が家族で出掛けたことが一度も無い

と言った時に周りにとても驚かれたから

だ。


 あまりにも驚かれて、友達には僕の両親

が共働きで忙しいことと、僕が習い事や勉

強で忙しくしていることは知っていたけど、

一度も家族で出掛けたことが無いのはあま

りにもおかしいと言われた。そして、そのこ

とを当たり前かのように受け入れている僕

に対して、もう少し我儘というか、言いたい

ことや思ったことを両親に伝えた方が良い

ということを言われ、僕は15歳の誕生日の

日に、一緒に出掛けたいと言おうと思って

いたのだ。
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