その瞳に映すもの
その後、2人は僕に対して何か言ってきた
のかもしれないけど、もう記憶には無い。
僕は、そう言った後にすぐ自室に戻っ
て、貴重品を手に取ってから、すぐに家か
ら出て行った。
僕は普段から2人にはそこそこの金額のお
金を貰っていたから、財布の中にはお金が
たくさん入っていたし、僕は自室に現金で
貯金するタイプの人間だったから、その貯
金を全部持って家から飛び出した。とにか
く、家にはいたくなかった。
僕は様々な習い事をしていた中で護身術
もしていたから、夜まで街にいて仮に悪い
人に絡まれたとしてもどうにでも出来る実
力は持っていたし、そもそも僕は、モデル
をしていた両親から生まれただけあって、容
姿端麗だ。身長だってそこそこあるし、と
にかく顔が良い。だから、周りからの視線
が昔から集まりやすく、変なところにさえ
いなければ、その視線が僕を守ってくれて
いる。僕に対して悪い感情で近寄ろうとし
た人は、気がついたら周りにいる親切な人
が撃退してくれていたり、なんだかんだで助
けになることの方が多い。