スパダリな夫はケダモノな本性を隠せない
 悠真に正直に話して相談すれば、彼ならきっと真剣に考えてくれるはず。
 愛する夫の身支度をして、会社に送り出したい。ただ、それだけなのだ。

 彼としては、疲れている凪沙を思って起こさずにいてくれるのだろう。その気持ちは痛いほどわかっているつもりだ。

 だけど、一人で目を覚まして部屋に誰もいないのは寂しすぎる。
 彼と「おはよう」と面と向かって言いたい。それだけなのだ。
 一度相談をしようと覚悟を決めていると、凪沙の携帯が着信を知らせてきた。
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