スパダリな夫はケダモノな本性を隠せない
 そこで、受付をしてくれる人を急遽探さなくてはならなくなった。
 求人を出せば、すぐに人員の確保はできる。だけど、あまり慌てて選びたくないと霧子は言う。

『人手が欲しいからって安易にスタッフを選びたくないの。前にそれで痛い目に遭っているから……』

 以前にも看護師が足りなくなり急いで求人をかけたのだが、クリニック側が欲しいという人材ではなかったようなのだ。
 契約以前にしっかりと話し合いを行わなかったことにより、トラブルが続出してしまったという。

『話に聞いていたのと全然違う!』

 という捨て台詞とともにその人はクリニックを去ったらしいのだが、それはクリニック側も言いたかったことだったらしい。

 だからこそ、今度求人をかけるときは時間をかけて決めたいと考えているようだ。
 それが双方にとってベストなのだと霧子は経験上思うようになったらしい。

 受付といえば、クリニックの顔だ。すぐさま評判に繋がってしまう。
 個人病院の辛いところよねぇ、と彼女はため息交じりに言っていたが、だからこそしっかりと時間をかけて受付スタッフを見つけたいと言っていた。

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