スパダリな夫はケダモノな本性を隠せない
　もちろん、凪沙が勝手に感じていただけで、本当のところはわからない。だけど、なんとなく空気で感じるというか、なんというか。

　だからこそ、彼のその言葉に驚いた。だが、そんな凪沙に顔を近づけて、しかめっ面をしてくる。

「でも、期間限定だからね」
「も、もちろんですとも」

　なんとなく威圧的な空気を感じ、慌てて頷く。
　今回の件を引き受けたいと思ったのは、少しだけ邪な考えがあったから。それに気づかれてしまったのかとビクビクしてしまった。

　霧子の手助けになればいいなと思ったのは確かだ。
　だけど、ほんの少しだけ期待もしていた。新妻らしいことができるのではないか、と。

　凪沙が外で勤め出せば、さすがに朝早めに起きなければならない。
　結婚してからこの三ヶ月のように、日が昇りきった時間に起きるようでは仕事に間に合わなくなってしまうからだ。

　凪沙が起きられない理由。それは、間違いなく夜の睦み事が原因の一つだ。いや、確実にあれが原因である。

　それは、薄々彼も気がついているはず。だからこそ、自重してくれるのではないかと読んだのである。

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