スパダリな夫はケダモノな本性を隠せない
「仕事に慣れるまでは大変だからね。体力温存しておかないと」
「は、はい」
 
 彼の言うとおりだ。だが、すんなり寝かせてくれるなんて思わなかった。
 驚きのあまり何度も瞬きしていると、悠真は戯けた様子で顔を覗き込んでくる。

「なあに? 凪沙。そんなに驚くことないだろう?」
「えっと、あの……」

 凪沙の戸惑いの原因がわかっているのだろう。彼は困ったように眉尻を下げる。

「ごめんね、凪沙。君がかわいすぎて、どうしても抱き潰してしまうんだよね」

 少しだけ頬を赤らめたあと、こちらをチラリと見つめてくる。
 その仕草が、あまりにかわいらしくてドキドキしてしまう。

 ――そういう顔をしている悠真くんも、かなりイイ!!

 彼は凪沙の手を取ると、指先に軽く唇を落としてくる。

「俺の奥さんは、とっても魅力的すぎてね。我慢できなくなってしまうんだ」
「悠真くん」
「だけど、少し自重するよ。仕事に熱心な凪沙を困らせちゃいけないからね」
「ありがとうございます、悠真くん」

 一晩にする回数を減らしてくれるつもりのようだ。

 やっぱり悠真は優しいし、気遣いをしてくれる素敵な旦那様だ。
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