スパダリな夫はケダモノな本性を隠せない
 悠真の妻として、彼の隣に立っても恥ずかしくないようにすること。そして、彼のサポートをすること。これが現在の目標でもあり、やりたいことなのだ。

 今回は霧子を助けたいという気持ちがあったから、協力しただけ。
 スタッフが見つかれば、引き継ぎをしたあと去る予定である。
 少し勤めていれば、新しいスタッフが見つかるはず。そんなふうに思いながら勤務していたのだが……。

 この一週間という期間に、新たな問題が勃発。凪沙を悩ませているのである。
 仕事をするようになれば夜の生活も少なくなるかも。そんなふうに頭の片隅にあったのは確かだ。

 夜の生活が少なくなれば、彼を朝起こすことができる。朝食の準備だって、いってらっしゃいのキスだってできるはず。
 そんな新妻の鏡らしいことができるのだと、疑いもしなかった。

 実際、この一週間、凪沙は思い描いていた新妻らしい生活を送ることができている。
 最初こそは、当初の目的が達成できたことに喜びを感じていた。
 それに、久しぶりの仕事復帰に心が躍っていたのも確かだ。

 仕事が楽しい、と悠真に伝えると、彼も嬉しそうにしてくれていたのである。
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