Lemon Sour〜愛を信じたあの頃〜

あ、LINE…

「…」

「マリ？」
「あ、ごめん」
「…例の彼氏？」

惚気まくる人を前に、頷くしかできない
キュウと苦しくなる胸

「ごめん、明日無理そう」
最近こればっか
今月入ってもう何回目？

付き合って1年経つ彼氏
自分勝手で、自己中で
予定狂うのが嫌いと何度も言っても、こうやってキャンセルを繰り返す

一昨日、約束1時間前にドタキャンしたばっかじゃん…


「マリちゃん？」
「あっ、ごめ…」
「はぁ〜？！またドタキャン〜？！一昨日されたばっかじゃん！」
いつの間にか私のスマホはセナに渡ってた
ちょ、勝手に見んな

「前日だから、まだマシだよ」

「やっぱあんたの彼氏サイテー！
あんたらどっちか明日空いてないの？マリに付き合ったげてよ！
うちバイトだから行けないけど…」

「えっ、いや！いいよ！買い物でもするし」

「俺明日サークルの飲み会だ〜！
マリちゃんと飲みたかったよ〜！」
ケンタがごめんと手を合わせる


「俺、明日暇だよ」
クイっとビールを飲み干しながらユーマが私を見た


「えっ、でも悪いよ」
「いいじゃん！行って来なよ！」

彼氏彼女持ちの男女が2人で飲むってアリなの？
てかユーマ彼女とラブラブだし、今惚気られるのは精神的にキツいんだけどな…
彼女さんも心配するだろうし


とか思いながらも、押しに押されて、私は明日ユーマとサシ飲みすることになった

まぁ、セナの友達だし、いい奴っぽいから楽しむだけ楽しむとしよう
男友達増える分には、問題ないっしょ


その日は終電で帰って、翌日、ユーマとの待ち合わせ場所に向かった
5分前に到着したら既にユーマはいて、スマホ弄りながら待っていた

早い…
彼氏が時間ギリギリマンのせいか、早めについてもういるって凄く新鮮

すぐに気づいてくれたユーマは、よく行くというお店に案内してくれた
「ん〜！美味しい！」
「だろ？安いし美味いんだよ」

金欠大学生にとって安さは重要

大学やサークル
趣味の話

昨日は気づかなかったけど、ユーマとは意外と気が合う
ノリ良いし、話しやすい
笑いながら時間はあっという間に過ぎていった