Lemon Sour〜愛を信じたあの頃〜
飲み屋出てから、ずっと頼りっぱなし…
なにも聞かずにバック持ってくれて
引っ張る力も強かった
一番私が楽になるための気遣い
支えてくれる手


男の子なんだなぁ…


タクシーを捕まえて、道案内をするユーマを横にボーッとする頭でそんなことを考えていた

ーーーーーーー

次に目が覚めたら、横でタクシーのお会計してるユーマがいた

窓の外を見ると

ユーマの家…

そこそこの普通のアパート
でもドアを通った瞬間、不思議な空気に包まれた

7畳くらいのワンルーム
紺の絨毯に紺のベッド
黒いソファの前には大きめのテレビ
色合いはシンプルだ

でも、生活感を出すのはベッドにキレイに並べられたいくつものぬいぐるみ
動物もいれば、キャラクターもいる
でも唯一全てに共通するのは、ふわふわでもふもふ…
ゆるキャラ…ゆるいキャラそのままだ…
なんとも言えない安心感…

それもあってか、ユーマの部屋は居心地よくて、心を温かくしてくれる空間だった
居心地よくて暖かくて安心する部屋
ここ、ずっといれるな…

付き合ったら何度も出入りすることになるんだから、男の子の部屋って重要
もっと散らかってると思ったけど、机の上が書類と、テレビ台に空き缶が並んでるだけで、すぐ片付けられる程度だ

いいなー

居心地面で男の子の部屋にいたいって思うの、初めてかも…

「居心地いいっしょ?」

え!
心を読んだかのようにユーマが顔を覗く

「ぬいぐるみ、好き?」

「うん…」

近くにあったくまをぎゅーっとすると…

「あ!それ一番のお気に入りだからダメ!」

取られた…
私もそれが一番いいのにぃ…
ぬいぐるみの趣味が一緒
そんな些細なことで、私の胸がスキップする

「酔いもだいぶ覚めちゃった(笑)」

「お?まじ?酒なら冷蔵庫にあるけど」
飲む?飲む?と言うように、あからさまにウキウキしながら冷蔵庫開けてるユーマ

どんだけ好きなんだよ…(笑)

「弱めのならいーよ」

「オッケー!」

スミノフのキャップを開けてから手渡してくれる辺り、好き

今日何度め?とかツッコミながら乾杯する


覚めたとはいえまだ残ってるから、これ飲んだらほろ酔いくらいなるかな


気づけばもうとっくに日付は変わっていて、2時過ぎ

「そろそろ寝るか」

コクンと頷くと、いつの間にか歯磨き粉のついた歯ブラシを手に、手渡してきた

「新しいから安心して」
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