片想いをしていたエリート同期がお見合い相手でした。
「でね、次の休日実家に帰ってこないか?」
「実家に?」
「あぁ。お見合いで着る着物を見よう。茉央が乗り気でね」
……お兄ちゃんが、乗り気。悪い予感しかしないんだけど。
「茉央が、呉服屋をうちに呼んだんだ。次の土曜日くらいに帰ってこれないかな」
「わかったよ、帰る」
「ありがとう! じゃあ、茉央に伝える。また連絡するかもだが、気をつけて帰ってくるんだよ」
私は「はーい」と言って電話を切った。