片想いをしていたエリート同期がお見合い相手でした。
兄との買い物とお見合い
「これもいいんじゃない? これも心茉に似合うし可愛いよ」
「そ、そう? お兄ちゃん、もう疲れたんだけど」
実家に帰って一週間、今日は朝からお兄ちゃんがわざわざやってきてお買い物に誘いにきた。……かれこれ一時間くらい着せ替え人形をさせられている私は、疲労困憊に陥っている。
「まだ大丈夫! ほら、これも可愛いよ」
「うん……言っても無駄だよね」
こうなったお兄ちゃんを止めることはできず、店員さんもお兄ちゃんが色々言うから大変そうに動き回っていて私は心の中で謝った。
「心茉はどれがいい?」
「あ、うん」
色々着すぎて今は意味が分からない。というか、いろんな色を見たからどれがいいのか本当にわからない。