片想いをしていたエリート同期がお見合い相手でした。



「ごめんごめん、橘花。だって今日あったかくて、いい天気だなぁって……えへ」

「えへじゃないからな、本当に……」


 私は橘花に言われて窓からレジュメに目を移すと、次にやる企画について確認していく。


「ねぇ、橘花。これ済み印なくない? リーダーは誰」

「あぁ、それね。俺に提出せずにファイリングされてた」

「はい? で、誰」

「リーダーが木村とサブが塚本」


 木村とはアルバイトから正社員になった子でまだまだ新人だ。今までは店舗勤務で正社になって店長にと打診されていたはずがこの企画部に配属されてしまったと言っていた。

 で、塚本くんは、二年目で木村くんの教育係だ。塚本くんははっきり言って何かを教えるのは向いていない。単体だととても優秀なのだが団体行動が苦手。ペアを組ませたら……うん、がんばろうねって感じなのだ。



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