片想いをしていたエリート同期がお見合い相手でした。


「こいつ……いや、社長は私が捕まえていますのでご安心してくださいませ」

「う、うん。ありがとう」

「いえ。いってらっしゃいませ」


 私は秘書さんにお礼をすると車に乗り込むと、すぐに車が出発した。


 家から出て三十分のところにあるホテル・SUMERAGI。それは、皇グループのホテルの一つでここでは有名な宿泊施設だ。


「ねぇ、お父さん。こんなとこまでお相手の方は来てくださるの?」

「あぁ、そうだよ」


 わざわざこんなとこまで来てくださるなんてとても優しい方なのね……私はどこでやっても構わないんだけど。


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