片想いをしていたエリート同期がお見合い相手でした。


「……醍醐」

「はいっ……ぁ、橘花か」

「これ」


 橘花はデスクに付箋を置いて「よろしく」とだけ言って自分のデスクに戻って行った。付箋には【昼飯一緒に行こう】とだけ書いてあった。

 だけど、別に付箋じゃなくてもよかったんじゃないかと思いながらも私はメッセージアプリで【いいよ】とだけ打ち送信した。


「私、調理室に行ってきまーす」

「はーい」


 私はボードにあるネームマグネットを調理室と書かれた場所に移動させてオフィスを出る。今日は自分が企画した商品の試食会だ。
 試食会が始まる前に行って準備をするために早めに向かう。


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