片想いをしていたエリート同期がお見合い相手でした。



「もうすぐ、海が見える」

「えっ、海!?」


 海と言われて私は窓の外を見た。すると本当に海が見えてくるのが分かる。水面が太陽の光で照らされキラキラしていてとても素敵だった。


「もしかして初めて?」

「うん。行ってみたいなとは思ってたんだけど機会がなくて」

「そうか、じゃあ、海がよく見える席にしてもらおう」


 それから十分ほどでお店に到着すると、蒼志は一発で駐車をしてみせた。相変わらず駐車上手いなぁと思って感心していると「心茉?」と名前を呼ばれて驚く。


「どうかした? 大丈夫か?」

「う、うん。大丈夫。蒼志がかっこよくて見惚れちゃっただけ」

「……そういうこと不意打ちで言うのやめて」


 本当だから言ったのに、と思って彼をみると耳を真っ赤にさせた蒼志がいた。

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