片想いをしていたエリート同期がお見合い相手でした。
車から降りるとそこは雑誌で特集されていた植物園だった。
「……どう? 心茉、行きたいって話をしてただろ?」
「よく覚えていたね、私が見てたのは何ヶ月か前だったのに」
「まあな、早く行こう」
蒼志に急かされるように言われて入場ゲートへ向かう。すると彼は「手を繋がないか」と言い、耳と頬を真っ赤に染めている。
「うん。もちろん……」
今までみたことのない表情をするそんな彼が可愛くてふふっと笑ってしまう。