片想いをしていたエリート同期がお見合い相手でした。
「まぁ、な。じゃあ、行こうか」
「うん、そうだね」
私たちは美容院から出てくるまですぐそこのホテルに向かうとまだパーティーまで時間があるから参加者らしき人はあまりいない。
「そういえば、姫野も白川も来るって言ってたぞ」
「うん。私も連絡きたよ、というかもう白川じゃなくて姫野だからね?」
「確かにな、心茉ももう橘花なんだから慣れて」
「まぁ、そうなんだけど……慣れなくて」
私たちは先日、婚姻届を提出した。本当は結婚発表をしてから入籍する予定だったのだけど、何か起きてからでは遅いということで……もうすでに私は橘花になった。
だけど、全く慣れない。橘花っていうだけで照れてしまって赤くなってしまう。