片想いをしていたエリート同期がお見合い相手でした。


 ***

「おめでとう! 心茉ー!」

「あっ、礼奈に悟くん。ありがとう」


 挨拶が終わり今は立食パーティーになっている。私は夫婦として再び来てくださった方に挨拶をして休憩をしていたところだった。……まぁ、蒼志は呼ばれてしまったんだけど。


「心茉、聞いてないんだけど! まさかお見合い相手が橘花だったなんて!」

「ごめんね、今日までは内緒だって言われてたから」

「そうなんだ。でも、よかったね。私も嬉しいよ、おめでとう!」


 礼奈は私が醍醐製茶の娘だということを知っているし、私が蒼志が好きだってこと知っていたからか普通におめでとうと言ってくれた。だけど、悟くんは今初めて知ったから混乱している……本当申し訳ない。


「俺聞いてないんだけど、心茉がお嬢様だったとか知らないししかも婚約してて実は結婚してたって……」

「ごめんなさい、悟くん」

「いや、驚いただけだし……あ」


 悟くんがそう言った瞬間、会場に「キャー」という女性の叫び声が聞こえてきた。


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