片想いをしていたエリート同期がお見合い相手でした。



「……っ……」


 その方向を見ようと振り向くと蒼志が赤い薔薇の花束を持ちこちらに来るのがわかる。


「心茉」


 私の名前を呼ぶと、私の前で蒼志は跪いた。


「俺は、入社してからずっと心茉のことが好きだ。お見合い相手として来た時、本気で運命だと思った。一生一緒にいてください……よろしくお願いします」


 こんなことしてもらえるとは思わなくて私は嬉しくて涙が出そうになる。告白もプロポーズもしてもらえるなんて思わなかった。


「ありがとう、よろしくお願いします」


 私は花束を受け取ると拍手喝采された。すると「橘花よかったな!」「本当焦ったかったもんなー」と声が上がり、さらには「じゃあ、橘花くんの恋応援隊は解散か〜」なんてよくわからない言葉が聞こえてきた。

 だけどとても幸せな気持ちでいっぱいになった。
 

 それから数日後。

 写真入りの蒼志のプロポーズした写真とその詳細が書かれた社報が発行された。

 そしてその記事を書いたのは【元橘花くんの恋応援隊・隊長】と書かれていて密かに橘花夫婦を見守り隊が結成されたという噂が流れた、らしい。




                 END.
 
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