手を伸ばせば、瑠璃色の月
「私、ここが良いです、!」
慌てて、遠ざかるその腕を掴んだ。
蓮弥さんの筋肉質な腕がすっぽりと私の手に掴まれて、数秒遅れて慌ててその手を離す。
反射的にそんな行動をした自分にも驚いたけれど、
「…へー、お前も自分の意見あるんじゃん」
ゆらりと首だけを回してこちらを向いた彼の目は、どこか感心したように細められていた。
「メニュー、何がいい」
その後、レストランの列に並んだ私達は以外にもすぐにテーブル席に通された。
私の正面には蓮弥さんが座り、テーブルに肘をついてメニュー表を覗き込んでいる。
…今日彼に会って何度も思っている事だけれど、
やはり、この人が私の家に侵入してきたなんて、この格好からは到底想像し難かった。
「えーっと、」
言われた通りにメニュー表を覗き込んだ私は、喉の奥でうなり声をあげる。
何せ、このお店にはこぢんまりとした見かけによらず、豊富なメニューが存在していたから。
王道のピザやスパゲッティから始まり、ランチセットやらパンやらポタージュやら、写真付きのそれらからは今にも香ばしい匂いが漂ってきそう。
過度な束縛の上に家族が不仲なせいもあって、私は外食をした経験がほとんどなかった。
それに、私はいつも空気を読んで人に合わせていたから、こういう時に何を選んだら良いのかも分からなくて。
慌てて、遠ざかるその腕を掴んだ。
蓮弥さんの筋肉質な腕がすっぽりと私の手に掴まれて、数秒遅れて慌ててその手を離す。
反射的にそんな行動をした自分にも驚いたけれど、
「…へー、お前も自分の意見あるんじゃん」
ゆらりと首だけを回してこちらを向いた彼の目は、どこか感心したように細められていた。
「メニュー、何がいい」
その後、レストランの列に並んだ私達は以外にもすぐにテーブル席に通された。
私の正面には蓮弥さんが座り、テーブルに肘をついてメニュー表を覗き込んでいる。
…今日彼に会って何度も思っている事だけれど、
やはり、この人が私の家に侵入してきたなんて、この格好からは到底想像し難かった。
「えーっと、」
言われた通りにメニュー表を覗き込んだ私は、喉の奥でうなり声をあげる。
何せ、このお店にはこぢんまりとした見かけによらず、豊富なメニューが存在していたから。
王道のピザやスパゲッティから始まり、ランチセットやらパンやらポタージュやら、写真付きのそれらからは今にも香ばしい匂いが漂ってきそう。
過度な束縛の上に家族が不仲なせいもあって、私は外食をした経験がほとんどなかった。
それに、私はいつも空気を読んで人に合わせていたから、こういう時に何を選んだら良いのかも分からなくて。